アジフライ(表記揺れ: あじ フライ、鰺フライ、鯵フライ)は、アジ を食材とした フライ料理(パン粉を衣にした揚げ物)である。英語ではあじ フライ、鰺フライ、鯵フライ)は、アジ を食材とした フライ料理(パン粉を衣にした揚げ物)である。英語では “Aji Fry”などと表記される
明治以降の日本で西洋料理に基づいて独自に発達した洋食のひとつであり、その後はほとんど和食と位置付けられることもあるほど、おかず、おやつ、酒の肴などとして広く普及している。
調理は アジ に パン粉などを付けて油で揚げるのが基本で、細かい工程では様々な工夫がなされる。 サクサク とした衣とふんわりとした アジ が作り出す食感が特徴で、かける調味料によって異なる味を楽しむことも可能である。 また、栄養面では低カロリー・低糖質で エイコサペンタエン酸が豊富であるとされることがある。
日本では、家庭料理だけでなく中食・外食としても普及している。 このほか、町おこしや キャラクター の題材にされたり、俳句・エッセイ・漫画・ドラマ などの作品内でも取り上げられたりするなど、日本文化の中で親しまれている料理である。
アジフライ の具材にもなる マアジ(アジ の一種)
アジフライ の衣にも使われる パン粉
日本では、縄文時代から アジ が食されていたと考えられており、平安時代には行事食として用いられるなど、美味しい魚として知られていた
一方、江戸時代の日本では、揚げ物の調理方法の一つとして天ぷらが定着しており日本の天ぷらには、欧米の揚げ物で一般的な少量の油を使用する揚げ方(シャロウ・ファット・フライング)とは異なり、大量の油を使用する揚げ方(ディープ・ファット・フライング)を用いるという特徴があっ
明治時代初期になると パン粉が伝来し 、コートレット や クロケット といった、
パン粉をまぶして熱を通す西洋料理が日本に持ち込まれる。 これに、天ぷらで培った日本の ディープ・ファット・フライング の技術が合わさり、パン粉を衣にして大量の油で揚げる日本の フライ調理が確立した [注釈。
こうして生まれた フライ調理によって、コートレット は カツレツ、クロケット は コロッケ という日本独自の洋食として完成したが、一方で フライ調理は西洋料理を離れて魚にも一般的に使われるようになり、1872年(明治5年)に刊行された最初期の西洋料理レシピ本である『西洋料理通』や『西洋料理指南』には、魚の フライ が掲載された [2 アジ にも フライ調理が使われるようになり、明治初期のうちにすでに アジフライ が存在していたという
明治期の扱い
1895年(明治28年)に創業した洋食料理店・煉瓦亭では様々な魚介類の フライ が試行錯誤されたが、カキフライ、エビフライ などが採用されたのに対し、アジフライ は同店の代表的な メニュー には挙げられていない。 また、昭和初期に創業した豚カツ・フライ の専門店である小田保によると、明治初期の西洋料理指南書には カキフライ や エビフライ の記載はあったものの、アジフライ の記載はなかった
同店は、フライ料理は当時高級料理であり、家庭でも一般的だった アジ は除外されてしまったのだろうかという趣旨の推測をしている