空揚・虚揚 「空揚」 については、「虚揚」 とも書かれ 、明治以降に「虚揚」 や「空揚」 といった漢字表記の料理名(魚や肉を揚げたもの)が見られるようになった 日本新聞協会では「『唐揚げ』を使わずに『空揚げ』で統一する」 と明示しており、2008年時点の『読売新聞用字用語の手引』改訂新版でも同様であるが、実際の新聞記事には「唐揚げ」 も見られる。
衣を(あまり)付けない素揚げ、「空の揚げ」 が「空揚」 としている。 から揚げ 戦後の NHK の放送用語では、当初は「から揚げ」 という表記のみを認めていた。
1973年の当用漢字音訓表の内閣告示による音訓の追加で、「空揚げ」 という表記も許容されることとなり、さらに唐揚げの方が自然と感じる人が多数との実態もあって2011年に漢字表記の規定を「①から揚げ ②空揚げ (「唐揚げ」 とも)」と修正している 唐揚げ 江戸時代初期に中国から伝わった普茶料理の唐揚は、後述のもの以外にも、材料を味付けし、衣にも味を付けて揚げ、露(つゆ)を添えない(汁物ではない)のが本式であるとしているものもある
また普茶料理以外に1829年の『江戸流行料理通』の卓袱料理にも唐揚は見られる。
「唐揚(げ)」の漢字は辞書では1960年代の『三省堂国語辞典』には「からあげ [《空揚げ・《唐揚げ](名・他サ)ころもをつけないで、そのまま揚げ・ること(たもの)。」 として記載されているが、1980年代の『広辞苑』には慣用表記としての記載はなく 、現在の広辞苑には空揚げ・唐揚げ両方記載されている。特に唐揚げは一般化しており ネット検索数や店・商品等での使用も多い
2015年の『新明解類語辞典』のからあげ項では、「唐揚げ 1.小麦粉や片栗粉を軽くまぶして油で揚げること。 2.素揚げ。異字 空揚げ」 と記載されている。『日本料理語源集』のからあげの項目では、唐風(材料に下味を付けて片栗粉をまぶして揚げる)に揚げるから唐揚、何もつけずに揚げるから空揚と説明されており コトバンク「日本大百科全書」 のからあげの項目では、から揚げは唐揚げ、すなわち中国風の揚げ物の意であるとしている。
その他のから揚げ表記 江戸時代初期に中国から伝来した普茶料理(精進料理の一種)が記載されている『普茶料理抄』(1772年)に「唐揚」(「からあげ」 または「とうあげ」)の語が見られ、「空揚」 が見られるようになった時代よりも古いもっとも、これは豆腐を小さく切って油で揚げた後に醤油と酒で煮たものであり、関係を疑問視する説もある
。 1898年に当時の日本の料理法を網羅した『日本料理法大全』には「からあげ」 はないが、『続 日本料理法大全ではからあげの項目がありこの普茶料理の唐揚のみ記されており、1923年の『日本料理法大成』でも「カラアゲ(唐揚)」として是は普茶料理の一品なりと記載されている。
1929年の『日本支那西洋料理大辞典』でも同様である。 江戸時代の料理書『素人庖丁』(1803年)などでは、魚介類や野菜類の素揚や小麦をまぶして揚げたものを「煎出(いりだし)」「衣かけ」 と呼んでいた [10]。